2021年最後の週末となった12月25日、東京は池袋にてビルディバイド初となるファンミーティングイベントが開催された。
当日は大寒波に見舞われながらも、会場はそれを全く感じさせないプレイヤーたちの熱気で溢れかえり、終始盛り上がりを見せていたぞ。
本レポートでは当日の様子を臨場感たっぷりにお伝え。今回は会場に足を運ぶことができなかった皆様にも、その熱気の片鱗をお届けしたい。
【オープニング】
イベントの開催を告げる、ステージのオープニングではアニメ製作を担当した中山信宏プロデューサー、TCGを統括する笠原昇プロデューサー、開発を担う増井秀成ディレクター、キャンペーンガールのりなさんが登壇。
総合司会の高野光平さんの進行により、当日深夜に最終回を迎えるテレビアニメ「ビルディバイド -#000000(コードブラック)-」の話題を皮切りに、全くの白紙からスタートした、これまでの経緯が語られた。
カードゲームのヒットを受けてアニメ化された作品とは異なり、TCGとアニメを同時展開することが立ち上げ当初から想定されていた「ビルディバイド」では、アニメの展開に深くTCGを介在させるべく、劇中のバトルも実際に「棋譜」を作成。
作劇に合わせたゲーム展開をリアルに作り込み、制作スタッフ自らもプレイした上で組み上げることで濃密なバトル描写が完成されたのだという。
当初からのこだわりを貫き、1話から敷かれた伏線を12話にて「うまく回収した」と語る中山プロデューサーは、2022年4月から放送となる2期も楽しみにしてほしいと語った。
続いて笠原プロデューサーからはアニメ2期開始までのTCG販売スケジュールが紹介され、通常のエキスパンションに加え、初のタイアップブースター「魔法少女まどか☆マギカ」の発売日などが改めて紹介された。
発売が待たれる第3弾はアニメ10話で桜良が使用した新ギミック「アサルトテリトリー」が新登場。これを軸にしたデッキが、今後の対戦環境を大きく揺るがすであろうことが示唆された。
増井ディレクターはTCGを楽しむ上での新たなるレギュレーション「ツーリミット」と「タッグバトル」の導入について言及。
同名カードを4枚まで投入できる通常構築とは異なり、同名を2枚までに制限する「ツーリミット」はデッキで使用するカードの種類が増加するため、より多様なバトルシーンを生み出すことが期待される。
また、お互いが「ツーリミット」構築で2人チームを組んで戦う「タッグバトル」はチーム内での意思疎通が勝利の鍵となる。
新たに提供される、一人では味わえない戦いに向け、今から仲間を集めておく、というのもいいだろう。
さらに制作裏話として、カードイラストができるまでを公開。
当初は男性キャラだった第2弾のウルトラレア「血讐のアリア」のラフから完成イラストまでの紆余曲折、笠原プロデューサー渾身の設定が書き込まれた「屠竜騎装(グラズヘイム) メギドラグ」のラフなどが紹介され、普段表に出ることがないイラストの制作過程に触れられる貴重な機会となった。
イラストレーター渾身の美麗なイラストも、「ビルディバイド」の注目ポイント。
キャンペーンガールのりなさんも興奮気味にその魅力を語ってくれた。
注目情報満載のオープニングはこれにて終了。だが、会場に集ったプレイヤーの戦いは始まったばかり。ステージの傍らでは数多の激戦が繰り広げられていたぞ。
カードバトルイベント
【ガンスリンガー】
【ミニトーナメント】
会場に集結したプレイヤー達が自慢のデッキでぶつかり合う無制限バトル。
全国大会への権利を賭けた試合……というわけではないものの、戦うからには負ける訳にはいかないのがカードゲーマーの性というもの。
勝ち抜くことで特別なPRカードをGETできることもあり、対戦卓は開場してからイベント終了のその瞬間まで、絶えず対戦が続けられた。
特に、ガンスリンガーでは60ポイント以上をも獲得するプレイヤーがいたり、ミニトーナメントでは3回以上優勝するプレイヤーがいたりと、熱心に周回する猛者もいたほどの白熱ぶりだった。
【腕試しコーナー】
ステージの合間には開発スタッフにチャレンジできる腕試しコーナーも開設。
勝利すればこちらもPRカードと「開発スタッフを倒した」という栄誉が手に入ることもあり、対戦希望者が殺到した。
キャンペーンガールのりなさんは愛用の命運の遊技場を用いたブルームデッキ、増井ディレクターは、ブルーム、マルグレア、クラウディア、レベッカ、ベルティガという、5つのデッキを持ち込んで参加者と激突。
笠原プロデューサーは、青単……のさらに先を行くグラド大共和国単、こだわりの自称「グラタン」クラウディアで1勝1敗。
イベントだからと手を抜くことなく全力でぶつかり合う。開発陣はいつでも本気なのだ。
さらには宣伝隊長の坊やさん(マーギュリス)、ゲームデザインを担当した中尾さん(マルグレア)も登場。
「ビルディ場」出演陣との対戦は参加者の良い記念になったことだろう。
【トライアルキャラバン】
実際のカードを使ってルールを覚えられるトライアルキャラバンも、会場内で3回実施された。
各回大盛況となり、ここでも新たなプレイヤーが爆誕。ビルディバイドのプレイヤー層はどんどん拡大していっていると言えるだろう。
ステージイベント
【アニメステージ】
ステージ上ではアニメのメインキャスト、蔵部照人役の上村祐翔さん、晩華桜良役の渡部紗弓さん、棟梨ひより役の古賀葵さんが登壇。
最終回の放送に向け、これまでの各キャラクターの名場面や印象的なシーンを振り返った。
上村さんと渡部さんが選んだ名シーンは奇しくも第6話で一致。照人と桜良の気持ちが一つになるカード教授戦でのクライマックスは2人の関係性のターニングポイントであり、美麗なエンディングの演出と相まって、非常に印象深いものとなった。
古賀さんはひよりが輝く2話のシーンをチョイス。底なしに明るく振る舞うひよりは、今や欠くことのできない存在。2期での活躍も期待して待っていたい。
これに加えて、今ではガチのプレイヤーとなった上村さん(最新の注目カードは「ストリング・プレデター」)の“生アクセプト”が飛び出したり、2期のティザービジュアルが初公開、サブタイトルも「-#FFFFFF-(コードホワイト)」となることが発表されるなどステージは大きな盛り上がりを見せた。
最後に催されたじゃんけん大会では3人目となる古賀さんが参加者全員の“殲滅”を宣言。
残った3人を負かし、賞品を我が手にと渾身のグーを放つも、参加者全員がパーで応戦。これ以上にない見事な“完敗”にて大会のオチをさらっていった。
【ビルディ場出張版】
後半戦となったステージでは開発スタッフによる情報発信「ビルディ場」の出張版が開催。
ビルディバイドの体験動画も配信しているYouTuber、トモハッピーさんをゲストに、プレイヤー目線の鋭い質問が開発陣に向けられた。
これに応じた笠原プロデューサーは開発期間中、新型コロナによって、人を集めることが難しくなった中での悪戦苦闘を告白。ファンミーティングを開催できるまでになった現状に胸をなで下ろしつつも、さらなる規模拡大を目指していくことを力強く宣言してくれた。
また、今後の新ギミックに話が及ぶと、これには増井ディレクターが答弁。
タイアップブースターから導入される「バスターアイコンを持つエース」をはじめ、続くエキスパンションでも遊び方を拡張するギミックを用意していると語ってくれた。
その片鱗を実証すべく、その後は増井ディレクターとトモハッピーさんによるスペシャルエキシビションマッチが開催。
まだ全容が明かされていない第3弾のカードを使ったデッキとあって、プレイヤーも注目の対戦となった。
増井ディレクターは「ベルティガ」を用いたドラゴンデッキ、トモハッピーさんは「メギドラグ」を用いた「アイオラ」デッキでの対決。
初めてながらも安定したプレイでメギドラグを使いこなし、数で攻めるトモハッピーさんに対し、増井ディレクターは大物で対抗。
赤く燃えるドラゴンの大攻勢で一気に勝負を決めるかと思われたが、削ったライフからはショットトリガー「張り裂ける大地」がまさかまさかの2連発。
巨大な竜の軍勢はその火力を十分に発揮する前にエナジーの中に沈んでしまう。
「これだからビルディバイドはやめられねぇぜ!」
トモハッピーさんの言葉の通り、一寸先にどんな展開が待っているのかわからないのがビルディバイドの醍醐味。
乾坤一擲のトリガーを引き当てた勢いそのままにトモハッピーさんがこの勝負を制した。
物販やイラストレーターサイン会など
【物販コーナー】
これから始める人に最適なスターティングデッキも物販にて販売。
公式スリーブが先行販売されることもあり、開場前から長蛇の列が出来ていた。
【ガラガラ抽選会】
【命運の遊技場チャレンジ】
物販で手に入るイベント参加券で缶バッジやステッカー、特製スリーブなどがもらえるミニゲームに挑戦できた。
コンプリートには双方に参加した上で強運を発動させる必要がある。余談であるが筆者はキッカの缶バッジだけ獲得できず、悲しみに暮れた。
【イラストレーターサイン会】
こちらもイベント参加券で参加が可能。カードイラストを担当したイラストレーター本人から、この世で一つの名前入りサインをもらうことが出来た。
この時ばかりは対戦台に空きが出来るほど人が集まる。特にたかみさんのイラスト「無双の戦鎚 メリッサ」は4弾収録予定のイラストが用いられていたこともあり、注目度が高かったぞ。
ちなみにキャンペーンガールりなさんによるゲリラサイン会も行なわれていた。
今後のイベントでもチャンスはあるかも知れないので、りなさんファンの方は期待しておこう。
【展示コーナー】
展示コーナーでは1弾2弾の全カードに加え、各エースの等身大パネルが勢揃い。自身が使用するエースの隣に立てば、気分はまさに挑戦者、といったところか。
観光地気分で記念写真を撮るユーザーの姿も見られたぞ。
【クイズコーナー】
会場ではデッキを持参したプレイヤーでなくともグッズを獲得できるコーナーも設置。
クイズコーナーではゲームの知識はもちろんだが、アニメの内容もしっかりと把握する必要があった。ファンとしての実力が求められたぞ。
クロージング
エンディングとなるクロージングでは再びメインキャストの3人と笠原プロデューサーが登壇。
第3弾の発売日や、「魔法少女まどか☆マギカ」のシャフト新規描き下ろしイラストを用いたキャラスリーブの情報解禁に合わせ、ここで初めて次回のファンミーティングが京都で開催されることが発表された。
次はどんなイベントをやりたいかと振られた渡部さんからは「皆で写真撮影」や「実際にバトルする」といったファンとの交流を深める案、古賀さんからは完敗した「じゃんけん大会リベンジ」が強く提案された。
さらには、笠原プロデューサーの「美味しいものを食べたい」という発言から「美味しいパンを食べる」→「パンミーティング(?)」という上村さん得な妙案も上がり、期待はますます膨らむばかりとなった。
こうして初めてのファンミーティングは大盛況の中、幕を閉じた。
2022年からは全国大会に向けた公式エリア大会「ディバイドバトル 1stセッション」中部エリア名古屋会場を皮切りに、ビルディバイドの勢いはますます加速していく。
プレイヤー諸氏も積極的に大会、イベントに参加していってもらえたなら幸いだ。